2 Jun | 2015
Seed Cake
シードケーキのシードは、キャラウェイシードのこと。
甘くほろ苦いスパイスを使った、シンプルな“たねのケーキ”です。
イギリスのお菓子やパンに使われるスパイスの中でも、キャラウェイシードはポピュラー。
甘みの中にほんの少しほろ苦さが残る独特の風味が、粉やバターととても相性がいいようです。
中でもこのシードケーキは、スコーンやジンジャーブレッドと並んで、古くから愛されるティータイムの定番のひとつ。
しっとりとしたバター生地に、キャラウェイシードを加えたシンプルこの上ない焼き菓子ですが、その素朴さがミルクティーととてもよく合うのです。
キャラウェイシードは、見た目はクミンに似た細長い形状の種のスパイス。そのまま焼き込むと、歯にあたる食感も香ばしく、アクセントになります。
タンポポの綿毛についた種にも似ているせいか、私の中ではなんとなく、春から初夏にかけての穏やかな季節が似合うイメージのお菓子です。強いインパクトがあるわけではなく、どちらかというとつかみどころのない味だけど、たっぷりのミルクティーと一緒にほおばると、しみじみと広がるおいしさ。子どもの頃、夢中で読んだ児童文学全集を久しぶりに開いたような、懐かしい気分になります。
生地は、バター、お砂糖、卵、粉類の順に混ぜていきますが、卵の量が多めなので、分離しそうになったら、残りは粉類と交互に加えてください。生地を型に流したら、そのまま焼いてもよいですが、たっぷりの粉砂糖を振ってから焼くと、焼き上がりの表面がカリっとして、見た目にも味にもアクセントが加わります。
どこにも出かけない雨の休日は、オーブンから漂う甘い匂いに包まれながら、昔好きだったイギリスのお話や絵本を久しぶりに手にとって、懐かしい世界にしばしひたってみませんか?
Recipe
作り方
- バターは室温に戻し、グラニュー糖と合わせてふわっとするまで混ぜる。
- よく溶きほぐした卵を、1)に少しずつ加え、その都度混ぜる。
- ふるった粉類を2)に加え、ゴムべらでさっくりと合わせる。キャラウェイシードも加える。
- 牛乳を加え、生地がなめらかになるまで混ぜる。
- オーブンペーパーを敷いた型に生地を流し、中央を凹ませる。茶漉しを使って粉砂糖を表面にまんべんなくふるいかける。
- 160℃のオーブンで約1時間焼く。粗熱を取って型から外し、ケーキクーラーの上で冷ます。
材料(直径18cmの丸型・1台分)
無塩バター 150g、グラニュー糖 150g、卵 3個、薄力粉 80g、強力粉 80g、アーモンドパウダー 60g、ベーキングパウダー 2g、キャラウェイシード 小さじ山盛り1、牛乳 大さじ2、粉砂糖 適宜