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edited by TEA & TREATS
8 Feb | 2015

Gingerbread

糖蜜のこっくりとした甘さと、ピリッとしたしょうがの香りが寒い冬にぴったり。
イギリスのティールームの定番のお菓子です。

ジンジャーブレッド

2月に入り、東京にも雪がちらほら。寒い日が続いています。ジンジャーブレッドは、そんな冬の日によく似合う、しょうがの香りのお菓子です。

ジンジャーブレッドというと、たいていの人がイメージするのは、人形のかたちをしたクリスマスのクッキーではないでしょうか。薄くて硬い、あのクッキーももちろんジンジャーブレッド。でもイギリスのティールームでは、もっとしっとりとしたケーキタイプのジンジャーブレッドをよく見かけます。

ビスケットタイプと区別して、ケーキタイプのジンジャーブレッドは、モイスチャー(しっとり)ジンジャーブレッドや、スティッキー(ねっとり)ジンジャーブレッド、もっと普通にジンジャーケーキなどと呼ばれることもあります。

ジンジャーブレッド

まるで黒糖パンのような、つややかで深い色の正体はトリークルとゴールデンシロップ。どちらもイギリスのお菓子作りにはおなじみの糖蜜です。トリークルはねっとりした黒い液状で、日本の黒蜜に近いもの。ゴールデンシロップは、トリークルよりさらっとした黄金色のシロップです。

ゴールデンシロップは、イギリスでポピュラーなテイト&ライルの製品が製菓材料店などで手に入りますが、トリークルは残念ながら、日本では販売されていないよう。私はイギリスでまとめ買いするか、トリークルに似ている(同じという説も?)モラセスを使っています。トリークルは甘さの中にほんの少しほろ苦さがあるのが特徴なので、近い味の日本の黒蜜を見つけたら、今度それでも作ってみようと思っています。

ジンジャーブレッド

基本的には、材料を混ぜて焼くだけの簡単なお菓子です。ただし、気をつけたいのが温度のこと。

湯せんで溶かした糖蜜やバターに卵を加える時は、粗熱を取らないと、卵が熱でスクランブルエッグのように固まってしまいます。卵や牛乳も冷蔵庫から出したてではなく、常温に戻すか、軽く湯煎にかけて温めてから。合わせる素材の温度差をなるべくなくして、そのつどしっかり混ぜて、なめらかな生地に仕上げてください。

ジンジャーブレッド

どっしりと食べごたえのあるお菓子なので、私はよくミルクティーと一緒に朝ごはんにします。スパイスをきかせたチャイとの相性も最高。

こっくりした甘さとジンジャーの香りにほっと体がゆるんで、寒い日でもあったかーい気持ちになれますよ。

Recipe

作り方
  1. 卵、牛乳は常温に戻しておく。粉類は合わせて振るう。型にオーブンペーパーを敷く。オーブンは150℃に温める。
  2. ボウルにバター、きび砂糖、トリークル、ゴールデンシロップを入れて湯せんにかける。砂糖とバターが溶けて、全体がなじむまで木べらでよく混ぜ合わせる。火からおろし、10分以上おいて粗熱を取る。
  3. 卵を溶き、2に加えて混ぜる。2のボウルが熱いと卵が固まってしまうので注意。 卵も十分に常温に戻し、冷たければ湯せんにかけて少し温めて加える。
  4. ふるった粉類を3に加え、粉気がなくなるまで混ぜる。
  5. 牛乳にしょうが汁、重曹を加えて混ぜ、4に加えてしっかりと混ぜる。
  6. 型に生地を流し、150℃のオーブンで1時間(大きめの型ならプラス10〜15分)焼く。粗熱を取り、型から外して完全に冷ます。
材料(18cmのパウンド型2個分 または26cmのパウンド型1個分)

バター 115g、きび砂糖 80g、トリークル(またはモラセス) 50g、ゴールデンシロップ 50g、卵 1個、中力粉(または薄力粉) 175g、ジンジャーパウダー 小さじ1/2、シナモンパウダー 小さじ1/2、塩 ひとつまみ、牛乳 115ml、しょうが汁 小さじ1/2、重曹 小さじ1/2