黄色い缶と、おいしい時間

あの人のティータイム

#8  織物作家 上杉浩子さん

Photo:Yuka Uesawa    Text:Momoko Yokomizo

気取らない味わいで、日常に幸せを運んでくれる、アイルランド生まれのキャンベルズ・パーフェクト・ティー。ひとりで飲んでもみんなで飲んでもおいしい、毎日の相棒です。

そんな黄色い缶に魅了された、素敵なあの人とキャンベルズ・パーフェクト・ティーのおいしい時間をあれこれ伺う、この連載。

今回ティータイムについて教えてくれたのは、織物作家の上杉浩子さんです。

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新しい日々も自然と心地よく

初夏の気持ち良い日におじゃましたのは、織物作家、上杉さんのアトリエ兼ご自宅。アプローチを抜けるとローズやハーブが生い茂る素敵な庭が広がり、都心にありながらオアシスのような空間です。

「昨年の自粛期間から庭で過ごす時間が増えました。どこにも出かけられないなかで、この場所があって本当に良かったなと思います。キャンベルズティーは水出しのアイスティーでもしっかり味が出ておいしいので、この季節になると庭でよく飲んでいるんですよ」

作り込み過ぎない自然な庭にいると、まるで外国に訪れた気分! 穏やかな空気が流れ、巣ごもりストレスがあっという間に癒されていくようです。

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水出しアイスティーにひと工夫

水出しアイスティーに庭で摘んだミントを入れる飲み方は、上杉さんの定番のひとつ。ミントは惜しみなくたっぷり入れるのがおいしいそう。目にも涼しげなアイスミントティーは、清々しい薫りとともに口当たりも爽やか。

「ピッチャーでたくさん作るので、途中でミルクを加えてアイスミントミルクティーにしたり、シロップを足したり、色々な飲み方を楽しんでいます」

摘みたてのミントの瑞々しいフレーバーと、キャンベルズ・パーフェクト・ティーは抜群の組み合わせ。やってくる夏に向けておすすめのティーレシピです。

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黄色の缶によく似合うパンジー

庭には多種多様な植物のプランターがセンスよく配置され、彩りを添えています。その中にキャンベルズティーの空き缶を発見! 淡い黄色のパンジーが生き生きと咲いていました。

「このパンジーは珍しい品種なのですが、出合った瞬間に黄色い缶と似合うと思いました。さっそく植え替えてみたら、予想した通りに可愛くて!  経年変化した缶の表情もまた趣があって良い感じです」

缶の作りも丈夫でしっかりしていると、鉢としての実力(?)もお墨付きをいただきました!

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オールハンドメイドの織物ホームスパン

上杉さんが制作しているのは、手染め・手紡ぎ・手織りの織物ホームスパン。すべての工程がハンドメイドで、ストール一枚完成するまでにも気の遠くなるような時間と手間がかかり、それはアーティストでありながら職人のお仕事。カシャンカシャンといい音を立てる、織り機での作業を実際に見せていただきました。

「織っているときは、片時も気が抜けなくて。なので一時間おきに休憩を取るようにしていて、そのときに紅茶をいただいてひと息ついています」

作品を手に取らせていただくと、驚くのはその軽さと柔らかい質感。あたたかく、心地よい肌触りは一度巻いたら手放せません。

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牛乳を注ぐタイミングは、ミルクファースト

休憩時間がやってきたら、紅茶とおやつの準備をスタート。この日は西荻窪にある『サウスアベニュー』で見つけた動物ビスケットとたっぷりのミルクティーでひと休み。

「あらかじめカップに冷たい牛乳を入れてから、紅茶を注ぐのがポイント。ミルクティーはたまに牛乳のくどさを感じることがありますが、ミルクを先入れにするとさっぱりと飲みやすくなるんですよ」

ミルクが先か、紅茶が先か。昔から英国でもよく議論になるテーマですね! ちなみにミルクが先の方が乳成分に含まれるタンパク質が変質せず、よりおいしく飲めるとも言われています。

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糸を紡ぎながら、ほっとひと息

糸を紡ぐ作業では、手をとめてお茶を飲む余裕もあるそう。傍らに置いた大きなカップ(写真上と同じ)は『アラビア』のヴィンテージで、スウェーデンを旅したときにひと目惚れしたもの。

「アンティークショップの店番の女の子が、このカップになみなみといれたミルクティーを飲みながらソーサーにのせたパンを食べていたんです。気取らない使い方がすごく素敵で思わず聞いたら、レアだから滅多に見つからないと。その旅では出会えず、あとで日本で手に入れました。このカップを使うときはいつもその女の子を思い出します」

リズムよく糸を紡ぐ合間に、お気に入りのカップでお茶を飲んだり、愛犬ラングのお相手をしたり。ゆるやかに流れるアトリエでの時間は、上杉さんのホームスパンの作品にも通じるぬくもりに溢れていました。

撮影を終えて

飲み方のアレンジから器へのこだわりまで、端々にアーティストならではの感性がちりばめられている上杉さんの日常。そこにはお庭を通り抜ける風のような軽やかさもあって、仕事と暮らしの理想的なバランスをのぞかせていただきました。

上杉浩子

織物作家。盛岡でホームスパンに出合い、東京の『清野工房』で学ぶ。2010年より『hou homespun』の名義で活動をスタート。羊の毛を使ったストールなど巻物を中心に制作し、伝統技法でありながらモダンな色合い、デザインが人気を集めている。

http://www.hou-homespun.com