黄色い缶と、おいしい時間

あの人のティータイム

#11  フードスタイリスト 高橋みどりさん

気取らない味わいで、日常に幸せを運んでくれる、アイルランド生まれのキャンベルズ・パーフェクト・ティー。ひとりで飲んでもみんなで飲んでもおいしい、毎日の相棒です。

そんな黄色い缶に魅了された、素敵なあの人とキャンベルズ・パーフェクト・ティーのおいしい時間をあれこれ伺う、この連載。

今回ティータイムについて教えてくれたのは、フードスタイリストの高橋みどりさんです。

image

2拠点生活を経て、東京から黒磯へ。

フードスタイリストとして、数多くの料理本や料理ページのスタイリングを手がけてきた高橋みどりさん。
その器づかいや暮しぶりに憧れている人も多いのではないでしょうか。

平日は、東京でスタイリストの仕事。週末は夫の吉田昌太郎さんとともに、栃木・黒磯でお店を。
そんな行ったりきたりの2拠点生活を15年ほど続けていた高橋さんの生活は、コロナ禍の自粛をきっかけに大きく変化したそう。

image

古い建物に同居する、ふたつのお店

「ステイホームで移動が出来ず、黒磯に約2ヶ月間こもっていたら、自分でもびっくりするほど楽しくて。近くに釣りに行ったり、庭仕事をしたり。東京では、自粛期間をこんなふうに楽しく過ごせなかったと思います」。

それを機に、思い切って東京の住まいを手放し、現在は黒磯に完全移住。

昭和初期建築のタクシー会社の建物をリノベーションした大きな空間を仕切り、夫の吉田昌太郎さんは『アンティークス タミゼ』、高橋さんは器や生活雑貨を扱う『タミゼ テーブル』、夫婦それぞれの好きなものを集めたお店を営んでいます。

image

暮らしていた住まいを店に。これまでのキャリアが完成する場所

日常に寄り添う器や道具を扱う『タミゼ テーブル』は、もともと高橋さん夫婦が黒磯の自宅として暮らしていたスペース。生活の名残を活かしたいという思いから、店舗にする際も大きな改装はせずに、広いカウンターのみを作り足したそう。圧巻のウォールシェルフには、キャンベルズ・パーフェクト・ティーも素敵にディスプレイされていました!

「カウンターは『大草原の小さな家』に登場するオルソン商会という雑貨店がモデルなんです。壁面の大きな棚は、ベルギーのパン屋さんで見かけた棚が着想源に。店で扱っている商品は、自分自身が実際に使って良かったものや、好きなものばかり。『タミゼ テーブル』は、これまで自分が書籍の中で伝えてきたことを立体化した感じです」

image

愛用の保温ポットで、いつも傍らにお茶を。

『タミゼ テーブル』をオープンしてからは生活のリズムが変わり、毎日お店に立つようになった高橋さん。忙しくなりそうな朝は、自宅でキャンベルズティーをスタンレーの保温ポットに入れて、仕事場へ持って行くのが習慣に。黒のポットは高橋さん、カーキは吉田さんが使っているものだそう。

「店は13時オープンなので、天気の良い日は午前中にドライブに行ったり、そういう時間の使い方ができるようになりました。最初はこれまでのスタイリストの仕事との変化に不安もありましたが、毎日店に立って、一人でも素敵なお客さんに出会えると、明日も頑張ろうという気持ちになる。地元からも全国からも、色々な方が訪れてくれて面白いですね」

気忙しい時も、傍らのポットにお茶があると思うと安心するのだそう。

image

束の間のティーブレイクは心のゆとり

余裕がある日は、店内の一角にあるキッチンでお茶を淹れることも。
お茶のお供のお気に入りは、黒磯駅前にある『カネルブレッド』のパウンドケーキ。

「昔から、頭をリセットしたい時にはお茶と甘いもの。ティーブレイクにちょっと甘いものがあると、より楽しいひとときになります。朝昼夜と、一日の節目にお茶を飲む習慣が体に染み付いていて、それは店にいる時も同じですね」。

柄のついたカップは1960年代のアラビア社製。無地の白い器は中里花子さんの作品で、大きめの蕎麦猪口をカップとしても愛用。木の折敷は『タミゼ テーブル』 のオリジナルで、高橋さんは一枚の大きな皿に見立て、お菓子もお茶も一緒にのせて使っているそう。

image

お茶の時間も演出に。日々の暮らしと結びつく空間

「ティーポットや器など、自分たちが使うお茶の道具はトレーにまとめています。キャンベルズティーの黄色い空き缶には、色々な茶葉を収納。片口でささっとお抹茶を立てて飲むこともありますよ」

お茶セットが置いてあるのは、改装前は自宅のキッチンとして使っていた一角。コンロを残し、私物のワイングラスなどもそのまま並べられています。生活の延長のように、お店とフラットにつながることで、商品の魅力がいっそう増してお買い物欲も刺激されます!

『タミゼ テーブル』は、高橋さんのお宅を訪れたような気分に浸りながら、審美眼で選ばれた逸品に出合うことのできる場所。そして新しい景色の中でも、お茶の時間は変わらずに高橋さんの暮らしの源になっているようでした。

撮影を終えて

都会では味わえない穏やかさがありながらも、どこかモダンな黒磯・那須エリア。『タミゼ テーブル』で見るキャンベルズ・パーフェクト・ティーは、ロンドンの街角のストアに並んでいる時のムードと近いものを感じました!

高橋みどり

フードスタイリスト、『タミゼ テーブル』の店主。広告から出版に至るまで食まわりを中心に活動。関わった料理本は100冊以上になる。著書に『おいしい時間』(アノニマ・スタジオ)、『伝言レシピ』(マガジンハウス)など。
http://tamiser.com/