黄色い缶と、おいしい時間

あの人のティータイム

#9  料理家・『ties』主宰 遠藤千恵さん

Photo:Yuka Uesawa    Text:Momoko Yokomizo

気取らない味わいで、日常に幸せを運んでくれる、アイルランド生まれのキャンベルズ・パーフェクト・ティー。ひとりで飲んでもみんなで飲んでもおいしい、毎日の相棒です。

そんな黄色い缶に魅了された、素敵なあの人とキャンベルズ・パーフェクト・ティーのおいしい時間をあれこれ伺う、この連載。

今回ティータイムについて教えてくれたのは、料理家・『ties』主宰の遠藤千恵さんです。

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おいしいを求めて、自然との絆を深める暮らし

都心から車で約40分、遠藤さんが生活の拠点とする横浜市緑区。街の中心部は賑わいもあるけれど、少し歩けば豊かな自然がすぐそばに広がっています。

その土地でその時採れた作物を食べる、という“身土不二”の考えをベースにした遠藤さんの料理はおいしくて美しく、盛り付けや季節のあしらいもはっとするほど素敵です。普段、ケータリングやお弁当に使う野菜は長野県佐久市の農家さんを中心に、交流のある作り手の方々が育てたものだそう。

「10年近いお付き合いになる、自然農法で野菜を育てている方の畑がアトリエの近くにあるのですが、採れたては格別においしくて。農作業をお手伝いすることもあり、作業の合間に外でお茶を楽しんでいます」

畑に囲まれた自然の中でのティータイム、さっそく見せていただきました。

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外でのお茶タイムは、キャンプの道具が活躍

遠藤さんが案内してくれたのは、谷戸の中にある広々とした畑。

「都内で暮らしていた頃から農作業のお手伝いに通っていて、そのご縁と土地が持つ魅力に惹かれて数年前に移ってきました。思いのほか居心地が良くて、当初の予定以上に長く住んでいます(笑)」

生茂る草の上に大きなクロスを広げたら、さっそくお茶の準備を開始。ピクニックのかごから出てきたのは、意外と本格的な道具の数々。

「紅茶はできるだけいれたてを飲みたいので、キャンプ用のバーナーとコッヘルで、その場でお湯を沸かしていれています。キャンベルズティーの空き缶は、ティーバッグや折りたたみのナイフなどをまとめるのに使っています」

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台湾のキッチングッズをティーバッグに

コッヘルに浮かぶ、まるで小籠包のような見た目のこちらにはキャンベルズ・パーフェクト・ティーの茶葉が入っています。台湾で薬膳スープを作る時に使われているガーゼ生地の袋を、遠藤さんはティーバッグとして愛用中。この袋を選んだのもやはり、環境を大切にする思いから。

「ティーバッグを使い捨てではないものにしたくて。ネルドリップなども試したのですが、洗って繰り返し使える薬膳スープ用の袋に落ち着きました」

登場した途端、スタッフ一同興味津々だったコロンと可愛いティーバッグ。小さなことから、エコな取り組みが素敵ですね。

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いれたて熱々の紅茶は何よりのごちそう

コッヘルのお湯が沸騰したら火を止めてティーバッグを入れ、蓋をして蒸らし、ほどよい紅茶の色と香りが出てきたらカップへ。ふわりと立ち上る湯気に身も心もホッと癒されます。

「もちろんティーポットで本格的にいれたものにはかなわないですが、キャンベルズティーは味がしっかりしているので、こんなふうにラフにいれて十分おいしい。なによりいれたてを楽しむために、外ではこの方法が定番になりました」

カップは保温力が高く、丈夫な二重構造のステンレス製。普通のマグカップよりも、コロンと丸みのある形が紅茶にぴったりで気に入っているそう。

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主役は丸ごとオレンジのケーキ

畑仕事の合間のティータイムには、おやつも欠かせません。この日遠藤さんが用意してくれたのは、オレンジの飾りが目にも爽やかなクレメンタインケーキ。

「このクレメンタインケーキは清見オレンジを丸ごとぐつぐつと煮込んでピューレにし、アーモンド粉や卵と混ぜて焼く、ちょっとユニークなグルテンフリーのケーキ。休憩時間にいれたての紅茶と甘いものを食べると元気が湧いてきて、この後の作業も頑張ろうという気持ちになります」

果実感たっぷりのクレメンタインケーキは生地がしっとりしていて、プディングのよう。遠藤さん自家製の甘酸っぱいレモンカードやスパイシーなチャイキャラメルクリームのスプレッドを足すと、一段と奥深いコクが生まれ、これがまたたまらなくおいしい!

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疲れを癒す自分好みの一服

畑作業のお手伝いは体力勝負だけに、休憩時間にお茶をするのが何よりの楽しみ。温かい紅茶を飲むと心がふっと落ち着き、リフレッシュできるそう。

「お気に入りの紅茶とおやつ、それに清々しい森の空気も相まって、疲れが一気に吹き飛びます。収穫した野草やハーブはドライにして、空き缶に保存したり。黄色の空き缶がキッチンに並んだ様子も好きなんです」。

ほんの短い休憩時間でも、丁寧に紅茶をいれることで、心にゆとりが生まれる。遠藤さんから教わった上手な息抜き、誰にとっても忙しい一日をご機嫌に過ごすヒントになってくれそうです。

撮影を終えて

遠藤さんのお弁当を初めていただいた時、素材そのもののおいしさが活かされていて感動したことを覚えています。今回畑におじゃましてそのおいしさの源を知り、さらにキャンベルズティーが畑仕事の休憩タイムに役立っていることも分かって、とても嬉しくなりました!

遠藤千恵

料理家。国際線客室乗務員として勤務後、料理業界へ転身。レストラン勤務を経て独立後、メニュー制作、各種ケータリング、イベント出店などを中心に活動する『ties』を主宰。四季折々の野菜料理を中心にしたメニューが人気。Instagram @ties.chie